2012年9月23日日曜日

河川敷の船

30tもある巨大な漁船が津波の力で陸地に上げられた。
ここは石巻市湊町の一角である。
1年以上もこの状態で、雨や雪、風にさらされ、廃船となった。
跡地には燃料が漏れ、匂いが一角に染みついている。
今は更地となったが、いったいここには何があったのだろう?
水産加工会社?または一般住宅?今では記憶も定かではない。
人間の記憶は不思議なもので、今まで何年も通っていたいたのに、店が無くなったりすると、
ここは昔何があったのか?と思い出せないことがある。
特に大きな街はそのような傾向がある。
次から次へと新しいビルが建ち、昔のお店のことなども思い出せなくなる。
ここの地区は、周りの建物も取り壊され、かさ上げ整備をすることになっている。
様々な整備計画が進むにつれ、記憶がだんだんと薄れてくるのが辛くなる。
復旧・復興元年と言われているが、被災地沿岸部ではまだまだ遠い先のことである。
全国ニュースに取り上げられる割合が極端に減ったせいか、復旧したのかと錯覚すらしている
。未曾有の大災害から1年半が過ぎ、国民の記憶が薄らいできているのは確かである。
復旧・復興の整備計画は10年である。いやそれ以上の年月がかかるのは間違いない。
現実を見続けることは辛いことだが、このことはしかと受け止めていいかなければならない。