2013年3月16日土曜日

雄勝町船越湾

 漁船数はわずかに8隻あまり、湾内に静かに浮かんでいる。岸にあげられてい船は、メンテナンス中であろうか?この光景は随分と痛々しく見える。
 近海の巻き網漁、ホタテやわかめ、牡蠣、アワビの養殖が盛んなところであった。石巻からは車で1時間程で着く。小学校裏山から荒浜に抜ける歩道の荒峠を1時間もかけて実家に行った想い出がよみがえってきた。
 湾内にある漁船は新品ではなさそうだ。それもそのはず、家1軒買えるほどの金額なのである。その他に網を巻き上げる機械など他の装備だけでも相当金額がかかってしまう。
 震災以降、「船は陸にあげられ何とか無事だったが、補修や機械購入などで1千万はいった(かかった)」という漁師の話も聞く。
 今では、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業において、決定すれば満額ではないが支給される。しかしそれまで何もするわけもいかず、銀行からその分の借入れをして漁をする。当然ながら利息は発生するし、差額分も発生する。その差額分を銀行からまた借り入れるとういう。もし借り入れが出来なかったらというと、当然倒産になってしまう。
 グループ化の認定を受けたが、破産している企業もある。
 再建に向け事業を再開したが、消費低迷、販売価格の低迷、運転資金の欠乏や原材料確保の困難があげられ事業を断念したという。
 中小の企業支援に、補助金だけではなく、数年間の運転資金の融通を挙げていただきたい。ようやく再建して1年、そして補助金の認定を受け、いよいよという時に資金が欠乏という中小の企業も絶対的に多い。
 復興特区で推進計画を立てているが、地場の産業はこれでは育ってこない。ましてこの制度で民間が参入しすぎ、漁場をあらし、ブランドが無くなってしまう恐れがある。その上雇用の確保とうたっているが、消費低迷の中、民間の活力で再生したが、採算が合わず撤退にでもなれば、更に雇用の悪化は避けられない状況が発生する。
 一段と復興を推し進めえるなら、このような規制緩和も必要と考える。